さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「京都・・・焼き討ち・・・」
少しだけ開いた口から、弱く言葉が落ちる。
新政府軍は、京の一角で焼き討ち計画を立てている。
「それは、本当かっ!?」
土方さんが一気に詰め寄る。
すっかり弱りきった古高に刀を突き出して。
「・・・ああ、本当だ。本当ならば、風の強い日を選んで決行する計画だったが…俺が捕まったとなると、いち早く事を進めようと今頃話し合っているだろうな。」
くくっと笑う。
自傷的かつ、あざ笑うかのように。
人間は極地に立つと笑いが湧き上がると聞いたことがある。
古高は、まさに今それだと思う。
「俺を殺したいなら殺せばいい。ただし、そうしたところで計画を止めることは出来ないんだよ!」
狂った様に笑う古高を見て、もうまともに話なんか出来やしないと察する。
それにしても、京都焼き討ちなんて。