さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「そんな事、絶対にさせない。」
はっきりと言いきる。
事実、そんな歴史は残っていない。
どんなものかは分からないけれど、江戸時代の終わりはここじゃない。
それだけははっきり断言出来る。
「近藤さん、古高をほどきましょう。暫くは、監禁に。」
また何か情報を得なければならないときが来るだろう。
この衝動だけで古高を殺すのは、間違っている。
「わ、分かった。」
近藤さんに口出しできる立場じゃないとは十分承知の上。
でも、このまま私が身を退いたら確実に古高は殺されていただろう。
それは、今後大きな誤算となるはず。
「もう計画は止められないよ。今回は、とっておきの助太刀もあるしな。」
「余計な口を叩くな。」
縄を解かれながら、古高は薄ら笑いを絶やさなかった。
何か違う?
そんな疑問が芽生える。
助太刀って、何?
その余裕はどこから来ている?
様々な疑問を残して、古高の取り調べは終わった。