さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
捜索
「会津藩・桑名藩等への応援を要請し終えました。」
「うむ、ご苦労だった。」
はっ、と隊士さんは頭を下げて、部屋をさがる。
日が落ちて、辺りはもう、漆黒の闇。
古高の拷問により、長州の計画を知ることが出来た。
古高を捕獲した以上、事態は一刻を争う。
そう判断した近藤さんは会津藩・桑名藩等への応援を要請し、この夜に出動を決めた。
ここまで、習った通り。
歴史は一ミリたりとて狂うことなく、正しく進んでいる。
「四国屋か池田屋が有力となるでしょう。どちらに向かいますか?」
「奴らが池田屋を選ぶとは考え難い。あんな予想の付きやすい場所に集まるほど、脳のない連中じゃないだろう。」
土方さんと山南さんがどちらへ向かうか話し合っている。
四国屋か、池田屋か。
いまのところ、四国屋にいる可能性が高いと。