さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「やはり四国屋ですか…」
違います、山南さん。
この事件の名前は、池田屋事件。
きっと、本命は池田屋。
でも、言っていいのかな。
それが歴史の歪みに繋がらないという確信はない。
でも―――
「私は池田屋を推します。」
「なんだとっ!?」
幹部が集まった部屋で、空気がぴしゃりと張り詰める。
「一之瀬くんが言うとなると、妙な説得力がありますよね。」
山南さんがははっと笑う。
私が未来から来たからという意味なんだろう。
「そうなると、二手に分かれるしかないな。」