さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「歳は左之と隊士24名を連れて、四国屋に向かってくれ。池田屋には、俺が向かう。」
「ちょっと、近藤さん!近藤さんが12名で行くって言うんですか!?」
沖田さんが食いかかる。
それもそのはず、屯所内には病人が多く、人手が少なく、動けるのは隊士36名と幹部だけ。
そのなか、たった12人で池田屋に乗り込むなんて死に行くようなものだ。
「大丈夫。人数が少ない代わりに、こっちは総司・新八・平助を連れて行く。」
にやりと口角をあげた近藤さんを見て、唖然とする。
まったく、すごい人だと思って。
組の長でありながら、自ら危険のなかに飛び込むなんて。
それに、負けるはずがないという、揺るがないこの自信。
それほどみんなの腕を信頼しているんだろう。