さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「新選組は決して大きな部隊ではないが、一人一人の価値が大きい。みんな、一騎当千の働きをしてくれると思っている。」
一騎当千。
一人が、千人に値するような働きをすると。
確かに、幹部を含めて新選組隊士の力量は目を見張る物がある。
冗談抜きで千人に匹敵するくらいの。
「近藤さんがそう言うなら・・・」
沖田さんが渋々というように言葉を落とす。
でもその頬が赤く染まっているのを見て、嬉しかったんだなって思う。
尊敬する人の言葉は、何より重いものだから。
沖田さんに限らず、みんな嬉しそう。
隠しているようだけど、ゆるゆるとあがる頬を抑えられないような、そんな顔をしている。