さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「あず、近藤さんが言うのなら、大丈夫だ。」
「沖田さん・・・」
沖田さんがそっと笑いかけてくれた。
私にとって、沖田さんの“大丈夫”は、絶対的な威力がある。
沖田さんが大丈夫というのなら、きっと大丈夫。
「・・・行きましょう。」
予定とは狂ったけれど、出動する。
全員が頷きあって、刀を腰から抜き取った。
その音が静まり返った暗闇に響いて、何重にもこだまする。
あ、と思った瞬間には、みんなの足も、そして私も掛けだしていた。
向かうは池田屋。
京を守るために。
「新選組の御用改めである。無礼すまいぞっ! 」