さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「はいはい。だいぶ話が脱線したけどな、単純にはこれを見て沖田さんも含めて、隊士達の面倒を見てほしいんや。」
丞の変わり身の早さは凄まじい。
さっきまであんなにふざけていたのに、パッと切り替えている。
「・・・わかった。」
「よろしく頼むで。」
白い歯をにっと見せて笑った。
顔に似合わない無邪気な笑顔を見ていたら、丞は根は良いやつなのかもしれないと思った。
「大切な役割やからな?隊士たちの健康は、お前にかかっとると思っといた方がええ。」
私次第。
重要な役目だって、なんとなく理解している。
それに、今はいつ始まるかも分からない戦の前だから尚更のこと。
「俺が戻ってくるまで・・・半月程度だとは思うけど、任せたで。」
こくり、頷く。
自信があるわけではないけれど、新選組のために。
そして、沖田さんの為に何かが出来ることがどうしようもなく嬉しい。
頑張ろう。
切実に、そう思った。