さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
5人で斬りこんだのは、作戦通りだった。
残りの隊士さんには、外の守りを固めてもらっている。
まさか5人だけで乗り込もうなんて、近藤さんの考えには度肝を抜かれた。
でも、今ならそれが正しかったとわかる。
近藤さんは隊士の性格を全て見通した上で、この考えに辿り着いたんだろう。
ピンチはチャンスって言うのかな。
新選組隊士にいたっては、余裕がある時よりも、こういうギリギリラインの方が力を発揮しやすい。
そりゃあ、賭けになるけれど。
「俺と総司、そして一之瀬くんで二回に向かう。そうしている間に、歳たちも加戦出来る筈だ。」
「土方さんがいなくても、俺たちだけでやれますけど。」
にやり、口角を上げた沖田さんを見て思わず苦笑いする。
まったく、どこまで自信家なんだろうと思って。
それも自意識過剰とは違うけれど。