さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―



「平助、新八、死ぬんじゃないぞ。」





近藤さんの心配そうな声が余韻を残す。





二人は、勿論だ、と頷いて敵に斬りかかって行った。





それと同時に、私たちも一斉に二階へ駆け上がる。






「うっ…!」




「うわああああ!」





敵の断末魔があちらこちらから聞こえる。





私は戦闘を切る近藤さん、そして後尾を追う沖田さんに挟まれているから、一階の様子は良く見えない。





けれど、絶えず聞こえてくる叫び声からは、藤堂さんと永倉さんが圧倒していると思う。





あの二人、いつもは喧嘩ばかりだけど、いつも一緒にいるからかこういうときは息ぴったりだって、山南さんが言っていたのを思い出す。





あの二人なら、大丈夫。





私は私の仕事をこなさないと。





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