さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
ひらり、天井から何かが舞い落ちてきて、私の足元に落下する。
これは、楓?
鮮やかな樺色に染まっているそれは、この季節に見れるものじゃないのに。
「待ってたよ。」
変声期を終えていないような、少し高い…でも、凛として伸びる声。
突如聞こえたその言葉に耳を疑う。
待ってた?
一体、何を言って───?
ふいに顔を上げて絶句する。
まさか、そんな。
どうして貴方がここに―――?