さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「残念ながら、その予想はハズレ。」
「じゃあ・・・!」
「俺が言えるのはここまでかな。」
他に何があるって言うのよ!と言おうとしたのを遮られる。
「篠原くん、貴方の本当の名前は!?」
名前を聞いたから何かが分かる訳じゃないけれど、咄嗟にその疑問を口にしていた。
篠原くんはくすっと、一度軽く笑って口をゆっくり開いた。
「折原、楓。」
─────折原 楓。
その鮮やかな色は、華のある彼にぴったりな名前だと思う。
「また会おう、姫。」
「待てっ!」
沖田さんが一気に刀を振り下ろす。
仕留めた、と思ったけれど、残ったのは楓だった。
樺色の、葉っぱだけだった。