さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
局中法度───きょくちゅうはっと。
「なんですか、それ。」
聞いたことがあるような、ないような。
法度って、決まりみたいな感じのことかな?
新選組にもそんなものがあったんだ。
学校の校則みたいだな、と呑気に考えていた私にその内容は、想像を絶するものだった。
永倉さんはすうーっと息を吸って、大声で何かを朗読し始める。
「 一、士道に背きまじきこと
一、局を脱するを許さず
一、勝手に金策致すべからず
一、勝手に訴訟取り扱うべからず
一、私の闘争を許さず
右条々相背き候者
切腹申し付くべく候也。」
は?
全く意味がわからない。
何となく聞き取れたのは、“切腹”という言葉。