さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―



「それじゃあ、始めるさぁ。」




呑気な近藤さんの声が、部屋に響く。





この会の内容は極秘らしく、幹部と一部の隊士のみで行われている。





さっきの人の他に、丞ら4人を加えた人数で。




私、ここにいてもいいのかな?




少し退け気味になる。




騙って座っていよう・・・。





「最近、長州・薩摩藩が不穏な動きを見せている。」




長州・薩摩藩。




いわゆる新選組の敵。




最近になって分かったことなんだけれど、日本は藩によって分裂しているらしい。




一つは、倒幕を目的とし、尊皇攘夷運動を展開する長州・薩摩藩を中心とした新政府軍。




そしてもう一つが江戸幕府と呼ばれる旧幕府を支持し、攘夷運動を鎮圧するのが、会津を中心とした旧幕府軍。




私たち新選組は、会津藩預かりらしい。




つまり、旧幕府軍側の人間。




長州・薩摩藩が不穏な動きを見せているということは、何かしら倒幕に向けて動き出している証拠。





< 4 / 186 >

この作品をシェア

pagetop