さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「それじゃあ、始めるさぁ。」
呑気な近藤さんの声が、部屋に響く。
この会の内容は極秘らしく、幹部と一部の隊士のみで行われている。
さっきの人の他に、丞ら4人を加えた人数で。
私、ここにいてもいいのかな?
少し退け気味になる。
騙って座っていよう・・・。
「最近、長州・薩摩藩が不穏な動きを見せている。」
長州・薩摩藩。
いわゆる新選組の敵。
最近になって分かったことなんだけれど、日本は藩によって分裂しているらしい。
一つは、倒幕を目的とし、尊皇攘夷運動を展開する長州・薩摩藩を中心とした新政府軍。
そしてもう一つが江戸幕府と呼ばれる旧幕府を支持し、攘夷運動を鎮圧するのが、会津を中心とした旧幕府軍。
私たち新選組は、会津藩預かりらしい。
つまり、旧幕府軍側の人間。
長州・薩摩藩が不穏な動きを見せているということは、何かしら倒幕に向けて動き出している証拠。