さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「消毒するから、じっとしてて!」
「こんくらい大丈夫だって・・・っ痛~!」
肩の部分だけをめくって、顔を出した生々しい傷跡に消毒液を垂らす。
箇所は確かに小さいけれど、結構深い。
こんな傷も隠そうとするなんて、信じられない。
「放っておいたら化膿して、治るものも治らないんだよ。」
「・・・ったく、このくらい平気なのによ。」
ぺっと唾を吐いて悪事をこぼす。
「もし原田さんが動けなくなったらみんなが困るの。だから、ちゃんと自分の身体を大切にして?」
包帯を巻きながら問いかける。
身体が駄目になったら元も子もないから。
「・・・っちぇ。そうやって期待させんじゃねーよ。」
え?
今、なんて?