さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
“期待させんじゃねーよ。”
その言葉が胸に刺さる。
私、別に期待を持たせようとしたわけじゃない。
ただ、原田さんは隊士として・・・一人の友人として、とても大切な存在だから助けたいと思っただけなのに。
「私は・・・」
「わりぃ。分かってるから。」
切なさが満ちる。
原田さんの気持ちには薄々気づいていたから、この状況はだいぶ気まずい。
「俺はなんで毎回叶わないものばっかり追いかけちまうんだろうな?」
ははっと笑っていても、目が笑っていない。
ごめんなさい、原田さん。
私は右に流れようと、左に流れようと、最後には沖田さんを想ってしまうの。
それに、原田さんの青く満ちた心には、私じゃない誰かが巣くっている。