さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
一体、誰だろう?
屯所に女の人が出入りすることなんて滅多にない。
誰かの親族かな?
原田さんに連れてきたってことは、妹とか?
ううん、それにしては似てな過ぎる。
「・・・左之ちゃん、久しぶり。」
桃色の振り袖を着た彼女は、原田さんにぎゅっと抱きついた。
えええええ!?
か、彼女ですかっ!?
ううん、そんなはずは・・・。
だって、原田さんの表情は穏やかでない。
「何をしにきたんだよ、まさ。」
まさ。
原田さんは、切なさいっぱいにその名を呼んだ。
その瞬間、思考回路が繋がる。
そうだ、まささん、この人は──