さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「幕府からの命令で、長州・薩摩の者は斬り捨てて良い、と。」
「おいおい、徳川公も随分大胆な事いうなぁ。これじゃあまた、俺たちは町の嫌われも者だぜ?」
「・・・俺達は人気者になるために働いているんじゃない。」
「そ、そうだけどよ・・・。」
原田さんの言葉を、斉藤さんが一刀両断に切り捨てる。
さ、さすが!
弁の立つ斉藤さんの言葉には、誰も口出し出来ない説得力がある。
「原田、負けてんじゃねえかよ!」
「一ちゃんに適うわけないだろ!?」
永倉さんと藤堂さんは相変わらずの冷やかし。
まったく、この人達はどんな精神年齢してるんだろ。
同じ高校の男子と何ひとつ変わらないわ、と思って思わず笑ってしまった。
「お前ら・・・この場に当たっても・・・!」
きゃあああ!
土方さんの目が怖い!
「まぁ、落ち着いてください土方さん。」
それを、山南さんが優しくなだめる。
見慣れた光景だな。
沖田さんが楽しそうに笑っているのを見て、私まで嬉しくなった。