さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―

診察





「見ろ!俺のこの肉体美を!」





「永倉さんの場合は身体より頭の方が心配だっつーの。」





「なんだと!?平助もっかい言ってみろ!」






「まぁまぁ、そうはしゃぐんじゃないさぁ。」





屯所の前庭に大勢の野獣…新選組隊士さんたちが集合している。






今日は松本先生による診察の日。





私は初めてお目にかかるけれど、今までも月に一度訪れていたらしい。





「はい、問題なし。」





ふさふさに生えている真っ白いひげは、どことなく名医なオーラを醸し出している。






「それにしても、こんなむさ苦しい男の裸なんて見てらんないねぇ。」





キンさんが嫌そうに眉を細める。




私たちは松本先生のお手伝い役として収集されていた。




確かに、こんなに大量の裸体は見ていてこみ上げてくるものがある。





「私、人生でこんな汚いものを見せられるとは思わなかったわ。」





まささんなんてこんな始末。





「次、斎藤 一くん。」




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