さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
事実、肩や背中に何ヶ所が傷がある。
気づかなかった。
隊員の体調管理、怪我の処理は私の仕事なのに。
まだまだ甘いな、と思う。
もっとちゃんと一人一人を見なきゃ。
「はい、君が最後ね。」
最後は、見知らぬ隊士さん。
・・・あれ?
一人、まだ見ていない。
「私ちょっとトイレに行ってきます!」
「「トイレ?」」
2人のハモる声が聞こえたけれど、そんなこと気にしていられない。
あの人がいない。
じっとしていられるはずがない。