さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「沖田さん!」
「なんだ、あずか。」
あの場にいなかった一人・・・沖田さんは屯所の裏に腰掛けて、うっすらと笑みを浮かべていた。
「どうして検診に出なかったんですか!?」
本来なら一番診てもらわなければいけないはず。
それなのに誰にも見つからないように、こんなところに座っている。
「ははっ。俺が出たらまずいよ。」
「どうして・・・」
「言っただろ?誰にも言うなって。それなのに診察なんかに出たら元も子もないじゃないか。」
確かにそう、だけど。
でも私はやっぱり沖田さんの身体が心配。
労咳という大病を抱えているのに、医師の目にもかけないなんて。