さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
居場所
「近藤さん、失礼します。」
そっと襖を開く。
近藤さんの部屋に入るのは、初めて。
乱雑に散らばっている書物から、近藤さんの多忙さが伝わってくる。
「どうした、総司・・・それに、一之瀬くん。」
突然の訪問に驚いたのか、目を丸くして私たちを見る。
「少し、お時間頂けますか?」
「あ、ああ。ここに座るといい。」
指さされた先に私たちは並んで座った。
沖田さん、緊張しているのかな?
少しだけ手が震えているようにも見える。
それでも、瞳だけは揺らがない。