さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―



「俺は…労咳です。」




強く延びた声。




「なんだと!?」




近藤さんの身体が揺れる。




あの近藤さんがこんなにも戸惑うなんて。




「ほ、本当なのかね、一之瀬くん・・・」




「確かに松本先生もそうおっしゃっていました。山崎さんもこのことは知っています。」





山崎さんは、丞のこと。




「山崎さんは治療法を研究していたんですが、手詰まりなようです。彼がいない今、私が沖田さんの体調管理を任されました。」





「まだ初期だから、特別どうということはないけど。近藤さんが俺を隔離するというなら、おとなしくそうしますよ。」





強く言い放つ。




こんなことを口に出来る沖田さんは本当に強いと思う。




自分を隔離してもいい、なんて。





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