さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「お前ら、何も考えてなかったのか?」
土方さんは呆れたように声をあげる。
「まぁ、そんなのどうでも良かったしな。」
「だよなぁ。」
二人は呑気に笑っている。
そ、そんなことがあるのね。
思わず苦笑する。
「いいか。俺らは“尽忠報国の誠”を掲げているんだ。」
尽忠報国―――じんちゅうほうこく。
「国に忠誠を尽くし、国のために力を尽くして国の恩に報いること。」
国の、ために。