さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「最初は驚いたけど、あずの真っ赤な顔を見たら思わず笑っちゃったよ。」
「本当に苦しかったんですよ!」
沖田さんですらこんな始末。
私の立ち位置って、一体?
思わず自傷的な笑いがこぼれる。
「二人は本当に仲がいいんだね。」
その声にハッと息を呑む。
抑揚のない、冷めた声。
「友達だから、な?」
そう言って私の頭にぽんと手を乗せる。
視線が交ざり合う先には、あの瞳。
愛しさを込めた、優しい瞳。
思わずパッと視線を反らす。
どうして、そんな風に私を見るの?
原田さん、貴方の想い人はまささんでしょ?
まささんは目の前にいるのに、その瞳は私に向けられている。