さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「そう、原田さんとはただの友達!」
“ただの”
3つの間違いを伝えるために、それを強調する。
一つは、まささんに私たちはなんの恋愛感情もないということを。
二つ目は、沖田さんに誤解させないこと。
三つ目は、原田さんに。
視線を向ける相手が違うと、気づかせたい。
「…だよな。」
笑いながらポツリ、言葉を落とす。
どうして?
どうしてそんな切なさに満ちた瞳をするの?
笑っているのに、笑っていない。
こんな時まで、私を通してしかまささんを見れないの?