私の王子様は意地悪王子!?
は?俺はすごくすごく思ってる!!



「だって、お前今葵の小さな手を振り払った」



「・・・」



「今日は、葵を甘えさせてやれよ!」



「・・・」



「葵のこと思ってるんだったら、そばにいろよ」



教室に紗里奈の声が響く。



俺は声も出ない。



「あきらがそんなんなら、葵と別れて」



「ちょっ、さりな」



「葵!あなたはいつまで、我慢するの?耐えるの?」



え?



「葵、私達を頼りなさいよ!つらいなら、つらいって言って!」



お願いだからと言って紗里奈がペタンと座り込んだ。



すごく泣きながら。



その言葉に葵も泣いていた。



俺は、気付いてなかった。


なぜ気付かなかったんだろう。


その時俺は、自分を殺したくなった
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