青く澄んだ空∞
もう見ていられなかった。
「喋んな、汐音。世界一の愛で包むんだろ うがっ?なぁ、汐音」
「…っ……ごめん…あ…さとっ」
ツーと、汐音の目から
一筋の涙がこぼれた。
それ以上、返事は帰って来なかった。
その代わり、機械のピーピーという音だけが、虚しく響いた……。
「くっ…汐音っ!なぁ、起きろよ!
 寝てるだけなんだろっ?」
俺は認めたくなかった。
ただひたすら戻って来ない汐音の名前を
何回も呼び続けた。
すると、そばにいた看護師が
「麻斗さんへの手紙です。汐音さんが
 亡くなる前に書かれました…」
その手紙を受け取ると、そこには
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