私淑彼女
「ククク……また神田だよ」
隣で佐紀が必死に笑いを堪えていた。
「……?」





「先生、わかりません」
「そうか。じゃあ立ってろ」

また笑いが起こる。


「あのね、あの神田って奴、中学の頃の同級生なんだけどその時から凄い面白い奴でさ……」
佐紀がこっそりと神田について軽く話し、理子はああと相槌を打ち、ちらりと見てみる。


ボサボサの髪に眠たそうな目、顔には配られたプリントの文字が写っていた。


こんなに存在感大きい人なのに今日初めて知った……。



「まあ、私はダンディな人にしか興味が無いんだけどね」





ああ、この子の方がインパクト強かったせいだな、と理子は改めて感じたのだった。


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