私淑彼女
Ⅲ
もうトイレの件は忘れよう。
そう決意し、貰った紙切れを開く。
「体育館裏らに来て下さい」
「……うそ」
余計な字が入ってる
見付けてしまったことで、何だか申し訳ない気持ちになり、そっと紙切れをポケットにしまった。
そして、もうお手洗いでの出来事はすっかり忘れていた。
「ん?志水さんどうしたの?顔が赤い」
「な、なんでもないっ」
不意に佐紀の声が聞こえ、慌てて椅子に座る。
「これは……」
もしかして……恋文?
(今はそんな古風な言い方をする人は少ないが。)
「うん?ラブレターでも貰った?」
「え?ううん!貰って無いよ!」
佐紀は怪しいなあとジロジロと理子を見たが、すぐに目線を外して鞄に無造作に教科書を突っ込んだ。
勿論HRの内容などは頭に入らず、理子はずっと空を眺めていた。
かなり傍迷惑な出来事がこれから起こる事も知らずに。
そう決意し、貰った紙切れを開く。
「体育館裏らに来て下さい」
「……うそ」
余計な字が入ってる
見付けてしまったことで、何だか申し訳ない気持ちになり、そっと紙切れをポケットにしまった。
そして、もうお手洗いでの出来事はすっかり忘れていた。
「ん?志水さんどうしたの?顔が赤い」
「な、なんでもないっ」
不意に佐紀の声が聞こえ、慌てて椅子に座る。
「これは……」
もしかして……恋文?
(今はそんな古風な言い方をする人は少ないが。)
「うん?ラブレターでも貰った?」
「え?ううん!貰って無いよ!」
佐紀は怪しいなあとジロジロと理子を見たが、すぐに目線を外して鞄に無造作に教科書を突っ込んだ。
勿論HRの内容などは頭に入らず、理子はずっと空を眺めていた。
かなり傍迷惑な出来事がこれから起こる事も知らずに。