伝わるコトバ
「おーっす亮介!!」
教室に入り、席に着くと幼なじみの悠がニヤニヤしながら寄ってくる。
「おー。」
「今日はどうだった?」
「なにがだよ」
「夏美ちゃんに決まってんだろ♪」
「別にいつもどーりだよ。
あいつは好きと付き合ってしか言葉を知らないらしい」
「毎日謙虚に亮介にアピールする夏美ちゃん…
かわいーな!!」
悠以上にニヤニヤしながら言うのは恭弥。
「だなー。
亮介も好きな女からアピールされてんのに素直じゃねーなぁ!!」
まったくッと俺の頭をグリグリしてくる浩次。
こいつらは俺の幼なじみで部活の仲間。
「あいつの好きと俺の好きは違うんだよ」
「たしかにな…
夏美ちゃんの亮介に対する好きはチョコと変わんねー感じだな(笑)」
夏美は、チョコが好き。
犬も好き。
俺も好き。
チョコも犬も俺もすき。
それ以上でもそれ以下でもない。
だから俺の好きとは意味が違う。