伝わるコトバ
「それで?
ソイツとは付き合えたん?」
「……」
俺が聞くと、夏美ちゃんは膝を抱えて黙ってしまった。
「…ふられたん?」
「いいえ。
…死んじゃったんです」
「…は?」
「事故だったんです。
…あたし、次の日に告白しようと思ってたんです。
そしたら…その人もあたしを好きでいてくれたみたいで。
その人がケガしたとき、あたしがあげたうさぎの絆創膏を持っててくれたんです。
大切に…持っててくれたんです。」
いきなりの告白に俺は目を見開いた。
「後悔しましたよー。
なんで早く告白しなかったんだろうって!!
あたしより長くその人はあたしを想っていてくれたのに」
「……」
「もう、そんな思いしたくないんです!!
あっ先輩が死んじゃうとかじゃないですよ!!
…後悔したくないんです」
「そっか…」
話し終わった頃には夏美ちゃんはいつもの笑顔に戻っていた。
「夏美ちゃんなら絶対亮介と付き合える!!」
「あたしもそう思います!!
あ、今の話。
先輩にはナイショですよっ☆」