グッバイマイオールドフレンド
「忘れるはずがない。忘れられるはずがない。君はわたしの命の恩人だ。そう叫びた
かったのですが、口にだせませんでした。どこかで、それをさえぎってしまったのです。
彼は、その地でこどもたちに日本語を教えていました。彼は、立派になっていました。
不覚にも、涙のあふれる目で彼をみると、彼が信じられないことをはなしました」

おれね、もうだめなんすよ

だめというと?

病気にかかっちまってね。

それなら、治療すればよろしい

治せないんです。

治せない?

ええ。
< 10 / 11 >

この作品をシェア

pagetop