グッバイマイオールドフレンド
ひどい人だ。
 皆の視線が冷たく中澤を突き刺す。

「冷静になり、わたしは、職を辞する覚悟を決めました。しかし、郎三くんは、その事
について一切、ばらすことはしませんでした。頭のけがについては、他の理由を話し
た模様です。わたしは、自分が情けなくて仕方ありませんでした。
自分のことだけ考えていたわたしと、そんなわちしをかばってくれた郎三くん。
そのときは、そう思っていました。
わたしは、人生で二度、命を救われました。
一度目は、戦地ミャンマーにて、友人がわたしをかばい、その命をおとしました。
そして、2度目が、郎三くんです。
当時は、自らの失態で職を辞するときは、命を絶つときであるとこころに決めていまし
た。それが、亡き戦友への償いと責任だと感じていたのです。
久しぶりに郎三くんに出会った場所が、ミャンマーだったことは、わたしには、なにか
偶然ではないものを感じました。
ちょうど、戦友の供養に参ったその日に、出会ったのです。」


こんちはっ。久しぶりっすねえ

きみはっ!?

みちぞうっすよ。おぼえていませんよね?

いやあ、覚えているよ。はっきりと

そうっすか。うれしいなあ
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