海のみえる街
ちさと私はカウンター席に座った。
「ご注文は?」
よく見るとカウンターにたつ店員さんは、(だれがみてもイケメンというだろう)正統派のイケメンだった。
でも、長めのゆるいパーマがかかった黒髪を後ろでひとつに結び、顎にひげをはやしていた。
まるで綺麗な顔を隠しているみたい。
低いテノールの声が男らしくて、その後の笑顔は少しこどもっぽい。
隣に座るちさを見ると、目がキラキラ輝いている。
ちさ、わかりやすいなぁ。すごく嬉しそう。
「ここのおすすめのコーヒーおねがいします!!」
「じゃあ、俺、特製のブレンドコーヒーごちそうするね。
となりのお客さんは?どうしますか?」
「あ…コーヒー苦手なんで、アイスココアとかありますか?」
「ごめんね、ココアだしてないんだ。カフェラテは?お客さん用に甘くするよ?」
「あ、すいません。おねがいします。」