海のみえる街
「いたっ…」
バイクから降りてヘルメットをとろうとするとヘルメットの金具に髪の毛が絡まってしまった。
ああ!もうっっ!
わたしが適当にはずそうとしたら、余計にからまってしまった。
「乱暴にすると、余計絡まるだろ。
……ちょっと貸して。俺がほどくよ。」
タマくんの顔が近寄ってくると同時に、とてもいい臭いがした。
どこを見たらいいのやら…。
「ほら、とれた。」
「ありがとう…」
「せっかくきれいに伸ばせてるんだから大事にしなよ。」
「う、うん」
そういってタマくんはとれた私の髪の毛一房を指でもちあげ、じっと見いった。
青い目が夕陽の色と混じってゆらゆらと光る。
な、なに??