海のみえる街
「あれ、環じゃん」
「龍太郎。そういえば月野と同じクラスか」
そうだった。この二人は知り合いだったっけ。
それよりも気づけばクラスの視線が私と環に集まっている…
「今、時間ある?ちょっと二人で話したいんだけど」
「あ、うん!ちょっと待って!」
「じゃあ廊下で待ってる」
私は食べかけのお弁当を片付けた。
「きぃ!だれあのハーフ系のヤバいイケメンは!私、聞いてないよ!」
「私も昨日知り合ったばっかで…。たっちゃん、環のこと知ってるんでしょ?」
「まぁな。なんかタイミングよく会うんだよ。あいつとは。」
そういってたっちゃんはクスクスと笑っている。よくわからないけど、思い出し笑いしているみたい。
「龍太郎、なに笑ってんのよ、キモい」
「うるせえ、千里、お前自分のクラス帰れ。きぃどっか行くならお前と二人で飯食わなにゃならん」
「たっちゃん、ちさ。仲良くしてよー、子どもじゃないんだから。じゃあ私、ちょっと行ってくるね」
「あとで話、聞かせてよー!」