海のみえる街


「……ごめん、きぃ。もう落ち着いた。」


女子トイレに連れていって五分後、やっとちさは泣き止んだ。


「で、どうしたの?なにがあったの?」


「さっき、きぃがいなくなってから、龍太郎から彼女と昨日別れたこと聞いたの。あたしちょっと嬉しかった。
でもあいつ、さっき呼び出されて告白された子と次は付き合うことにしたって…」


あ。やっぱり付き合うことにしたのか、たっちゃん…。


「あたしそれだけならこんなに悲しくならなかったよ。

でもあいつ…

『すっごいその子ウブでさー。でも押しに弱い子で押し倒したらなんの抵抗もせずに、結構簡単にエッチさせてくれた』とか、
『まあ、でも前の子はヤリ慣れてて超気持ちよかったんだよね、どこでもさせてくれたし。まあ、今日の子も簡単だったし、もうどうでもいいけどさ』

って…。 」



たっちゃん…。屋上で私に話したようなことをちさにも話したわけね…。


「ん〜でも、たっちゃんはそういう人だって、ちさも分かってるでしょ?なんで今になって…」


「私はセフレでもお断りなんだって。」


ちさはまた瞳に涙をためてつぶやいた。


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