海のみえる街
「起立、―――礼」


いつのまにか数学の授業がおわっていた。


「たっちゃん、ごめんノート見して。」



隣の席のたっちゃんこと、滝 龍太郎 。
高校に入学してから最初にできた男友達。


「はいよ」

「ありがとうございます。


…………たっちゃん…」


「文句言うな。急いでなければもっときれいに書ける。」


たっちゃんのノートはせっかくのノートの横線を完璧に無視していた。


非常に読みづらい。


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