海のみえる街
のんびり帰る準備をしようとしていたら、廊下から誰かが走ってくる音がした。
「あ!いたいた!きい、遅いから迎えにきたよ!」
廊下からひょっこりと顔をだしたその人は急いでいる様子だ。
「あ、ちさ。もうちょっと待って。」
ちさ、こと高橋千里。
小学校からの幼馴染み。
高い位置で結ばれたポニーテールが左右に揺れている。
ポニーテールは最近のちさのお気に入りらしい。
「今日は私の寄り道に付き合う約束でしょ?はやくして!」
「あ、そうだった。」
今日はちさが見つけたカフェに行く約束をしていたんだった。
「はやく行かないと席なくなっちゃうかも!」
ちさに急かされて、できるだけ急いで通学鞄に荷物を入れて、ちさと学校をでた。