*心に咲くあの花の名前*【短】
「鈴斗・・・?」

「・・・んで・・・」


俯き、自分の拳をぎゅっと握る鈴斗。
俺は何に怒っているのか分からない。


「え・・・?」

「何で相談くらいしてくれなかったんだよ!!?」
「大広にとって俺は相談もできねぇーくらいの存在だったのかよ!?」


鈴斗・・・?
鈴斗はこんな俺に怒ってくれる・・・。
叱ってくれる・・・。

俺の親友・・・。


「ち、違う─・・・!俺は・・・俺は・・・ッ」

「んだよ・・・?」

「情けなくて・・・こんな俺が・・・」


そこから俺は何も言えなくなった。
声を張り上げる事すらも出来ない。


「大広・・・俺さぁ、ずっと気付いてた」
「最近、大広の様子が変って事・・・」

「・・・ゴ・・・メン・・・」

「でも俺、何があったのか大広の口から
聞きたかったから何も言えなかった・・・」


鈴斗の顔を見るとすごく淋しそうな顔をしていた。
その顔に俺は胸がズキンっと痛くなった。


「お前、このまんまでいいのか?」

「へ・・・何が・・・?」

意味が分からず聞き返す。

「こんなトコに居てていいのかって・・・?」

「鈴・・・斗・・・」


その言葉で頭に浮かんだのはミズの顔。
寂しそうに、泣きそうになっている。

俺はそこから全力疾走で走る。
教室を飛び出し、玄関で靴もちゃんと履かず、
ミズの病院まで走る。



鈴斗・・・ゴメンな?
いつもありがとう・・・。
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