*心に咲くあの花の名前*【短】
「告んなくていいの?」

鈴斗は俺にそう聞いた。
だけど、今はどう答えたらいいのか分からない。


「え、告る・・・ってか」
「好きかどーかも分かんねぇし・・・?」

「馬鹿だろ・・・好きなんだよ!」
「話してる時のお前の顔って言ったらもぉ・・・」


と言ったトコで鈴斗は笑いを堪えている。
少し苛々するが、そこは我慢する。


「俺には俺の事情ってのがあんだよ!」

「そんなん逃げてるだけじゃん?」

「はぁ・・・っ!?鈴斗、お前なぁ・・・」

「俺だったら逃げねぇーけどな」


鈴斗の言葉が俺の胸に突き刺さる。

薄々分かっている事を言われると、
恥ずかしさと苛つきが俺を支配してしまう。


「わーったよ!んじゃ、今日告白してやらぁー!!」

「ん、その息だ!かっけぇーじゃんっ?」


俺たちは二人で馬鹿みたいに笑った。



この先の事を知らなかったから─・・・。
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