*心に咲くあの花の名前*【短】
「久しぶりですね・・・」


ミズは少し寂し気に笑った。

「うん、何で・・・居なくなったの・・・?」

そう聞いてミズの顔を見た。
ミズは今にも泣きそうな目で俺を見てる。


「ミ、ミズ・・・?」

「ゴメン・・・なさい・・・」
「言い訳かもしれないけど、聞いてください─・・・」


*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
─1ヶ月前─Side*未寿

「未寿、よかったわね」
「退院できるそうよ!」


お母さんは嬉しそうに私に話す。
私はこの病院に元々居た訳じゃない。

本当はここより少し小さい都市に住んでいた。
そこには大きな病院は無かった。

でも、私の病気は小さな病院では面倒が見切れない。
だから、大きな病院のある都会に引っ越してきた。


そんなある日、私はヒロと出会った。

どんな私でも受け止めてくれるヒロ。
年下だけど、ちょっとお兄ちゃんみたいな存在というのが印象的だった。


「ミズ─・・・」

そう優しく呼んでくれるのが心地よかった。


───だけど、これでヒロともお別れ・・・。


私はヒロに会えないまま、病院を退院した。
寂しさと罪悪感は消える事が無かった。

そして今日、引っ越す準備が出来次第
元の家に戻る事になった。

だから最後にと思ってヒロと出逢った場所に来た。



こんな再会のし方があるなんて・・・・。



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