俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)
『練習やりてえ…なあ琢磨サン、今度俺等のライブ見に来てよ!』
目を輝かす優斗を見て
にっこり笑った琢磨サンは
俺の頭を優しく撫でて来る
『な、何すんだよ…//』
「まだお前もガキなんだなあと思ってさ」
俺は琢磨さんの手を払い
照れくさそうに下を向く。
『うっせえわ』
俺にはある意味家族が居ない
母親は俺が幼い頃に
他界したと聞いた。
親父はある某大病院の
医院長をしている。
生まれて十五年
親戚ん家に住んでいた俺は十六になって
初めて親父に頼み事をした。
" 一人暮らしがしたい "
「勝手にしろ」
親父の返事は即答。
そこから親父が持っているマンションと
月に一度、一方的に送られて来る金で
十六歳の時から一人暮らしを初めた。
親父とは滅多に会わない。
まともに話した事もない。
俺と親父は仲が悪く
親父は俺を虫の様に嫌えば
俺も親父を同じように嫌っていた。
そんな時
俺は琢磨さんと、出会う。
親父とは正反対で
琢磨サンは俺の事を
自分の息子の様に慕い接してくれる
そんな彼の人柄に俺は自然と
心開く様になっていった。