俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)
進む道


翌日..



俺は私服のまま学校に顔を出す



職員室に行くと
出入り口付近に担任の古屋が立っていた。



「小上…!!」



俺の顔を見るなり古屋は
声を上げ相手の肩を掴む。



「連絡なしで全然学校に来ないから…心配してたんだぞ!!」



『……。』



良かった良かったと苦笑い浮かべる古屋



『御心配おかけしました』



「お前はいつもいつも口の悪い…え? あ…は?あれ?小上… 」



『ん?』



「小上、お前…ちゃんと挨拶出来るじゃないか!!先生どれだけ嬉しいか…」



いや待て、驚き過ぎだろ…



『んじゃ』



興奮し1人で話す相手に頭を下げた俺は
家に帰ろうと背を向ける。



「小上ちょっと待て!!」



帰ろうとする俺を引き止める古屋



「明後日の卒業式には必ず来なさい、待ってるぞ!」



そう言いながら


古屋は微笑み俺の頭を
ぐしゃぐしゃと撫でた。



明後日卒業式だったのか…



俺は無言で
古屋の手を払い軽く頭を下げる。



「待ってるからな~」



「明後日だぞ明後日!」



「小上、絶対だぞ!」



俺が返事しないからか
廊下中、しつこいくらい古屋の声が響く



そんな中、俺は学校を後にした。

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