俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)
バラード系の曲でのんびりとしたメロディ… 心に響く優しい歌声は俺の心を穏やかにする。
演奏が終わると俺は閉じていた目を開けた。
「ありがとう!」
演奏を終えた二人組の男は、演奏を聞いていた俺に気付き笑顔で手を振り頭を下げる。
俺も簡単に会釈し人ごみの中へ消えた。
ーーーーーーーーーーーー
俺の住んでるマンションのエントランスはオートロックになっていて白くて綺麗な洒落た館内のの五階。
ふと、俺は玄関のエントランスにあるインターホンの前に立つ女に気付いた。
誰だ…?
俺と同じ学校の制服を着た
胸下辺り迄の髪の長い女は
俺を見つけると笑顔で手を振り駆け寄って来る。
「あっ、小上君だ!」
『ごめん…誰?』
手を振る相手に思わず
苦笑いを浮かべる俺は
初めて会う女の顔に思わず首を傾げる。