俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)


優衣を家まで送った帰り道
俺は自分の携帯を取り出し



忘れかけていた番号を入力して
発信ボタンを押した。



「もしも~し?」



呼出し音が


数回鳴った後電話から
懐かしい声が聞こえる。



『俺』



俺の声を聞いたえみはくすくす笑い出す。



「電話待ってたんだよ?そろそろ来ると思ってた」



『…どういうつもりだ』



えみは笑うのを辞め
ゆっくりと口を開く。



「別に~ただの暇潰し。あの子を中傷して優斗がいつ電話をかけてくるか、友達と賭けてただーけー」



暇潰し?



優衣はめちゃくちゃ
傷ついてたんだぞ?



大丈夫って言いながら凄く震えてた。



ふざけんな!!!



『とにかく、今後優衣に一切関わるな』



「無理」



『……。』



俺は即答するえみに返す言葉を失う。



「3日後の17時、優斗も知ってるLaneって店で待ってるから。来ないとあの子が…解ってるよね?」

< 49 / 115 >

この作品をシェア

pagetop