俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)
優衣を家まで送った帰り道
俺は自分の携帯を取り出し
忘れかけていた番号を入力して
発信ボタンを押した。
「もしも~し?」
呼出し音が
数回鳴った後電話から
懐かしい声が聞こえる。
『俺』
俺の声を聞いたえみはくすくす笑い出す。
「電話待ってたんだよ?そろそろ来ると思ってた」
『…どういうつもりだ』
えみは笑うのを辞め
ゆっくりと口を開く。
「別に~ただの暇潰し。あの子を中傷して優斗がいつ電話をかけてくるか、友達と賭けてただーけー」
暇潰し?
優衣はめちゃくちゃ
傷ついてたんだぞ?
大丈夫って言いながら凄く震えてた。
ふざけんな!!!
『とにかく、今後優衣に一切関わるな』
「無理」
『……。』
俺は即答するえみに返す言葉を失う。
「3日後の17時、優斗も知ってるLaneって店で待ってるから。来ないとあの子が…解ってるよね?」