俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)


『……。』



「ねえ、何であの子なの?えみの方が優斗の事好きだよ… 何で愛してるって言ってくれないの?私のこと愛してるって言ってよ… 」



段々程興奮状態に陥るえみは… 叫び、怒鳴り始め



「愛してるって言え!!!!」



『ごめん、俺が心から好きなのは優衣だけだから… 気持ちが無いのにお前にそんな言葉は言えない』



俺の返事を聞いたえみは
また気が狂ったと思わせる程、笑い出し…



「…んで」



笑い終わったえみは



人が変わったかの様に
低い声で俺に呟いた。



「優斗、死んで」



『おい、え… 』



えみの名前を呼ぼうとした瞬間



ガンッ!!!!!!



足音もなく



突然背後から現れた
数名の男に殴られた



「優斗が悪いんだよ?えみを傷つけた罰」



殴られ続ける俺を見ながら
狂った様に笑い続けるえみ。



その姿は



本当に人を殺しかねないと思う程
狂いまくっていて。



… 確かに、一方的に別れを選び
結果的にえみを傷つけたのは俺。



曖昧な考えで付き合って
話し合いもせず別れた。



『…っ』



そんなえみの気持ちを考えると
俺はどうしても男達を殴り返せなかった。

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