俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)
電話…
鳴ってたなんて気付かなかった。
俺は
ポケットに入れた携帯を
取り出し着信画面を見る。
『……。』
見ると章司と優衣の
着信歴が大量に残っていた。
《ゴメン、寝テタ》
心配させたくないその気持ちから
俺は優衣に " 寝てた " と、嘘の連絡をした。
『章司ありがとな』
「何が?」
『……。』
意識が遠のく俺を
助けてくれたのは
章司、お前だろ?
「…何だよ!?」
『別に』
「気持ち悪いやっちゃなぁ~」
『うっせ…』
この日を境に
優衣への嫌がらせはピタリとなくなり
学校内でのイジメや嫌がらせも同様…
優衣の表情にも笑顔が戻っていった。
時は経ち
そろそろ世間は12月…
高校3年の12月と言えば、進路の話しも本格的になりながら、クリスマスの話題で賑わう季節。
今までクリスマスに興味すらなかった俺は
クリスマスは恋人同士の一大イベント、女はこーゆうイベントを楽しみにしているものだと知り…
" 優衣を喜ばせたい "
クリスマスは優衣にサプライズがしたいと
クリスマスの事で頭がいっぱいだった。
本当に馬鹿だよな…
目の前の事に没頭し過ぎて
1番大切な物をまた見落としていたのだから。