俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)


電話…
鳴ってたなんて気付かなかった。



俺は


ポケットに入れた携帯を
取り出し着信画面を見る。



『……。』



見ると章司と優衣の
着信歴が大量に残っていた。



《ゴメン、寝テタ》



心配させたくないその気持ちから
俺は優衣に " 寝てた " と、嘘の連絡をした。



『章司ありがとな』



「何が?」



『……。』



意識が遠のく俺を
助けてくれたのは



章司、お前だろ?



「…何だよ!?」



『別に』



「気持ち悪いやっちゃなぁ~」



『うっせ…』



この日を境に



優衣への嫌がらせはピタリとなくなり
学校内でのイジメや嫌がらせも同様…


優衣の表情にも笑顔が戻っていった。








時は経ち



そろそろ世間は12月…



高校3年の12月と言えば、進路の話しも本格的になりながら、クリスマスの話題で賑わう季節。



今までクリスマスに興味すらなかった俺は



クリスマスは恋人同士の一大イベント、女はこーゆうイベントを楽しみにしているものだと知り…



" 優衣を喜ばせたい "



クリスマスは優衣にサプライズがしたいと
クリスマスの事で頭がいっぱいだった。



本当に馬鹿だよな…



目の前の事に没頭し過ぎて
1番大切な物をまた見落としていたのだから。

< 57 / 115 >

この作品をシェア

pagetop