俺が唯一愛した女 (1話から公開開始)
永遠別
" 優斗… "
また
優衣が俺を呼ぶ声が
聞こえた気がした。
『優…』
いつの間にか写真とネガは燃え尽き
今直ぐ優衣に会いたい…
俺はその足で優衣の家に向かう。
「… 優斗!!!」
優衣の家に向かう途中
名前を呼ばれ振り返ると
息を切らした章司が居た
『章司…?』
「病院行くで」
『は?何で病院… 』
「いいから!!」
病院?
何で俺が病院に行くんだよ
今すぐ優衣に会いたいのに
車が沢山通る
大通りに出た俺と章司は
タクシーを拾い乗り込む。
「……。」
助手席に座っている
章司は一言も話さず
『……。』
沈黙する車内で俺は
優衣に電話をかけようと
ポケットから携帯を取り出す
『うわ… 』
昨夜充電してたはずなのに
なんで充電切れなんだよ…
「どうしましたお客さん?」
ミラー越しで俺に話しかけて来る運転手。
『… 別に』
電源の入らない携帯に
俺は苛立ちを覚えつつ
ボーっと窓の外を眺めていた。
数分後、病院に到着
「… 着いて来い」
1階に居た俺達は何故か階段を降りる…